カモメ団プレゼンツ
『ブラスカ様御一行スフィア』vol.3







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確認方法(基本編)

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撮影者:アーロン


軒先で立ち寄った街は軒先 に食材が並び、人々の飛び交う声で活気に溢れている。

「なあなあ、スイカ食おう ぜ、スイカ!!」

山のように詰まれたスイカ の前でジェクトはガキのようにはしゃぐ。

「スイカか、いいねえ」

ブラスカ様の賛同を得て ジェクトはスイカを選び始める。


コツコツ。
コツコツ。


「何をしているんだい?」
「こうやって叩いてみてニ ブイ音がする方が中味が詰まっててうめえんだ」
「へえ、なるほど」

得意げなジェクトの説明に ブラスカ様は感心した様子で頷いている。

コツコツ。
コツコツ。


ゴンゴン!!


「てんめえ、ブラスカ!! 何しやがんだっ!!」

振り上げられたロッドは青 筋をたてたジェクトに止められた。

「痛ェ…何で殴るんだ よ!」

相当痛かったようで、涙目 になりながら睨んでいる。

「いやあ、君の頭も詰まっ ているか確かめておこうと思って。ガードの事は把握しておかないとね」

悪びれず答える様に唖然と するジェクト。
普段の行いが悪いからお仕 置きされて当然だな。
笑いを堪えて見ていると、 ロッドを握り締めたままのブラスカ様がクルリとこっちを向いて微笑んだ。


「アーロン、ほら、君も頭 を出してごらん」



ブラスカ様…俺は何か悪い 事したんでしょうか?
したなら謝ります、だか ら…だから!そんな嬉しそうな顔して近付いてこないで下さい!!
ブラスカさ……!!!

【終了】



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確認方法(応用編)


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撮影者:ジェクト


ったくブラスカの野郎ふざけた 真似しやがって…まだ頭がズキズキしやがる。
当の本人はけろっとした顔で店 を物色中だ。

「アーロン、桃も買っていこ う」
「駄目です。さっきスイカを 買ったでしょう」

結局殴られたアーロンは不機嫌 らしい。まあ当然だよな。

「こんなに美味しそうなのにか い?色といい形といい…まるで私のお尻みたいだ。ねえ、ジェクト」

何でそこでオレに振るんだ よ!?おめえのケツなんか知るかっつーの。

「おいおい、それを言うなら アーロ…」
「ジェクト!!!」

ものすごい剣幕でアーロンが こっちに突進してくる。

「わははは、すんげえ顔して 映ってんぞ」
「あんたが要らん事を言うから だろう!スフィアに残るというのにおかしな事を……」

からかい甲斐があっておもしれ えからついつい調子に乗っちまうオレ。

「怒った顔もカァワイ〜♪」
「ふ…ふざけるなッ!!」



「ちょっとアンタ!!何やって んだい!?」

怒りに震えるアーロンの肩越し から悲鳴に似た怒鳴り声が聞こえてきた。
声のした方にスフィアを向ける と…

「美味しいかどうか叩いてみて るんだが?」

ブラスカだ。

「それはスイカだろう!?桃は すぐ傷んじまうんだからそんな事されたら売り物にならないだろ!!」

店主が唾を飛ばす勢いでブラス カに抗議する。

「それは申し訳ないことをし た。仕方ない、私が叩いた分は全て買い取らせていただくよ。アーロン、こっちへ来てくれ」

呼ばれたアーロンはブラスカが 手をつけた桃5個分の金を渋々払った。
店主に詫びを入れて二人が戻っ てくる。

「桃は叩いたらいけないなんて 全く知らなかったよ」
「気をつけていただかないと困 ります、ただでさえあまり余裕がないのに…」

溜め息をつくアーロンの後ろで 桃を手にしたブラスカが満面の笑みを浮かべる。


「せっかくだから早く食べない とね。フフフ」




コイツ、ぜってえ確信犯だ…。
オレらなんかよりコイツの頭叩 いてみた方がいいんじゃねえか?
いや、それ以前に頭ん中に何が 詰まってるのか知りてえよ。

【終了】











『言い訳』

今日スーパーでスイカを叩きまく る家族を見かけて思いついたネタです(笑)
いい音がするのとしないのとどっ ちが美味しいんだっけ?とわざわざ親に確認しました(爆)
ちなみに私桃が大好きでして。 や、誰も聞いてないでしょうがとにかく好きなんです〜。
なのでスイカの次は桃にしてみま した。
時代を先取り的に温室栽培な桃を ゲトしたものですから。早く食いたいな〜。
思いつき取って出しなので言い訳 すら見当たりませんな(自爆)