カモメ団プレゼンツ
『ブラスカ様御一行スフィア』 バレンタイン 撮影者:ジェクト
旅行公司の食堂。
食事中のブラスカとアーロンが映る。
「な、な、バレンタインって知ってるか?」
撮影者であるジェクトの声。
問い掛けられた二人は一瞬顔を見合わせて首を傾げる。
「さあ…食べた事がないな」
「違う違う、食いもんじゃねえよ。やっぱりスピラにゃねえのか」
溜め息が聞こえる。
「バレンタインってえのはよ、女が男にチョコを渡して告白する日でよ」
「ザナルカンドにはおかしな風習があるもんだな」
不思議そうな表情をスフィアの方へ向けるアーロン。
「いいもんだぜ?オレなんて毎年ファンから家に入りきれねえ程のチョコが送られてきて大騒ぎだ」
身振り手ぶりで話すジェクトの手がちらちらとスフィアに映る。
「それは女性限定の行事なのか?」
「元々は男も女もなくて、渡すモンもチョコとは限らなかったみてえだけどな。…しかし今年は何もねえとなると淋しいもんだ」
再び溜め息。
スフィア目線のアーロンが鼻で笑う。
「あんたは食い意地が張ってるからな」
「それは関係ねえだろーが!」
バン!とテーブルを叩く音がし、ジェクトが立ち上がったようでスフィア画面が高い位置からの撮影になる。
「なんだ、ジェクト、まだ食べ足りなかったのかい?」
おやおやという顔のブラスカ。
「だからそういうわけじゃね…」
「じゃあ私からバレンタインのプレゼントだ」
ブラスカは自分の皿からジェクトの空いた皿に料理を移した。
「ただ単におめえがピーマン嫌いなだけだろ!!」
見事にピーマンだけ取り分けられた皿が映る。
とそこへもう一方から。
「………」
「Σおめえも無言でニンジン寄越してんじゃねえ!」
しらーっと何事もなかったように食事を続けるアーロン。
「ほら、遠慮しないで。良かったね、今年もバレンタインに食べ物を貰えて」
「有り難く食うんだぞ」
満面の笑みを浮かべるブラスカと感謝しろと言わんばかりのアーロンが交互に映る。
緑とオレンジの彩り良い皿が映し出され、ジェクトの声が小さく被る。
「オレはひもじいガキか…?」
『言い訳』
バレンタインなのです。もうすぐねん。
バレンタイン、バレンタインと思ってたらこんなん出ました(笑)
一話だけではなんとも寂しいではないかともう一話考えてみたのですが。
思い付いたネタはブラスカ様御一行ではなくユウナん一行ネタだった為不発です(ずーん)
どちらにしろバレンタインで胸キュンwとは程遠いってウワサ。