Whisper underside(B’s)
気付いてしまった
唯一、ではなくとも、ずっと、それを願っていたのではないかと
一人生きて残ったことよりむざむざと二人を失くしたことを
悔やんで絶望して自責の念と憤怒に駆られて
何故共に散れなかったのかと
気付けば果てしなく続く真っ白な世界
身を削り垂れる赤い雫
生き抜くことを放棄するかのような
それでいて些細なものでしかない抵抗
一矢報いる事が出来るなど思ってはいなかった
激情に身をゆだねることで全てを手放していたのかもしれない
一人遺されるよりいっそ
それでも
朽ち果てかけた身体を前に進ませたのは
気付いたからだ
遺されたのは自分だけじゃない
あんたはまだ目を閉じる事も許されないんだと
あんたとの約束を守ること
俺達の軌跡を無駄にしないこと
死の螺旋を断ち切ること
二度目の旅に、
二度目の存在意義に、
理由や望みを挙げればきりがない
ただ、気付いてしまった
あの日心の中に生まれた祈りにも似た小さな願いに
共に
安らかな死を
【END】
『言い訳』
心が沈んでる時や荒んでる時にSSを書くものじゃないんだなと初めて痛感しました(笑)
先日、『死』というものについて改めて考えさせられる事がありました。
小さい頃は『死』というものについて考えれば考えるほどわからなくなって、だからこそものすごく恐怖を感じてた。
最近ではそれそのものよりも、遺すこと・遺されることを怖いと思うようになったかな。
あんまり考えたくないテーマの一つなんだけど、その遺して・遺されて、について考えた時に出来たSS。
なので、アプしていいものか少々考えました。
精神的に不健康だなぁと思って(自分が笑)