夏の憂欝




夏休みも残るところあと僅かになると、宿題を蓄めまくった学生にとっての闘いが始まる。
それはブリッツエースであるティーダにもいえることで……
「アーロおおぉぉンっ!!」
「だから早くやっておけと言っただろうが…遊んでばかりいるからそうやって慌てる羽目になる」
海だ、プールだ、と遊び回って真っ黒に日焼けしたティーダ。
遊んでる間は宿題のことなんて忘れてしまうんだからしょうがない。
そうやってアーロンに泣き付くのは毎年恒例の行事になりつつある。


「それで…何が終わってないんだ?」
初めは自分でやれと拒みながらも結局は手伝ってしまうのも毎年恒例。
何だかんだ言いつつやっぱりアーロンが自分に甘いことをティーダも承知しているのだ。
「自由研究が残ってるんだけど、何やっていいか思いつかなくて」
「自由研究か…朝顔の観察とかか?」
「そんな小学生みたいなもんダメっスよっ……あ。」
ティーダは何か思いついたようで、不敵な笑みを浮かべた。


「『アーロン観察日記』とかどうっスかね?」
突拍子もない提案に顔をしかめるアーロン。
「40男の生態を探れ!みたいな…結構ウケると思うけどなぁ〜?」
「ふざけるな……それにまだ40ではない」
アーロンは意外に年令に敏感らしく、ムスっとしてしまった。
機嫌を損ねて手伝ってもらえなくなっては困る。
「じょ、冗談だって!あ…あれは?えっと…そう、昆虫採集とか!」
話の流れを変えようとして咄嗟に挙げた『昆虫採集』の言葉にアーロンがピクッと反応する。

どうやら『虫』に反応してしまったらしいアーロン。
幻光虫で出来た自分が標本になっている姿を想像し、体がムズムズする。
「…無益な殺生は好まん」
うっすらと額に汗をかいているアーロンをティーダは不思議そうに見つめる。
「あ…もしかして虫苦手なんだろ!?」
「そうじゃない…」
否定しても信じてないティーダは、アーロンの弱点を見つけたとほくそ笑む。
その様子にまたまたカチンときたらしいアーロンは。
「…自由工作でもいいんだな?」

「何か思いついたっスか!?」
期待の目で見つめてくるティーダの肩を抱き、耳元で囁く。
「子供、作るか」
「………………は?」
呆然として我が耳を疑うティーダに、更に追い打ちを掛けるように続ける。
「もちろん男同士で子供は出来ない。が、賭けてみないか?無限の可能性に…」
「はぁっ!?…て、ちょ、ちょっ…待てって!アーロっ………」




結局この夏のティーダの自由研究、もとい自由工作は未提出で終わった。


















【END】









『言い訳』


ハイ、くだらないですね(滅)
『夏休みの宿題をアーロンに手伝ってもらう』リクいただいたのは…確か去年の夏でした(逝け)
一年かかってこんなもんてどうなのよ自分………。
これ以上思い付きませんでした(平謝)
遅い上にくだらなくてアップのお知らせをさせていただくのも忍びない;
あくと様、申し訳ありませんでした(土下座泣)