It’s over now
星のきれいな夜だった。
嵐の前の静けさ。
こうしてアーロンと二人夜空を見上げていると、明日全てが終わるなんて信じられなかった。
消える。無くなる。終わる。
考えると体が震えた。
月光に照らされた横顔。
こんなに早く別れの日がくるなんて思ってもみなかった。
でも、あんたは知ってたんだよな。
一人で背負ってたんだよな。
バカなアーロン。
言ってくれたら、好きだなんて言わなかったのに。
バカで、不器用で、優しい人。
「俺さ…俺が死んだら、この世界も同時に無くなる気がしてた」
黙っていると泣いてしまいそうで、想いを打ち消すようにわざと明るく話す。
「スイッチ切ったみたいに全部終わるんだ、て」
じっと目を見られると辛くなって、思わず目を逸らす。
「俺っていうフィルターを通してしか、俺はこの世界を見たことがないから」
「ティーダ…」
考えられない。
俺が消えてもこの世界が存在するなんて。
俺という存在がない世界なんて。
「それでも、続いていくんスね…まぁ、もう関係ないか」
「…少し黙ったらどうだ…」
俺はその言葉が聞こえなかったかのように、一段と明るく言う。
「俺の存在なんてあってもなくても世界は変わらない。バカっスね〜、俺も」
「もういい…黙れ」
それ以上バカなことを喋らないよう、アーロンは俺の口を自分の唇で塞いだ。
二人だけの最後の夜。優しく押し倒され、深く長い口づけを交わす。
今ここに俺が確かに存在していると確認するように。
アーロンの唇は静かに首を伝い胸を這う。
明日全ては消えてしまうというのに、アーロンは俺の胸にいつものように跡を残す。
自分のものだと誇示するようなその仕草がたまらなく嬉しかった。
こんな時だというのに体は正直に反応する。
こんな時だからこそ全てが欲しくて、自ら衣服を脱ぎ捨てる。
胸の突起を舐めとるような唇と舌の動き。
「んっ…あぁ…っ」
自然と体が反り、覆いかぶさるアーロンの下肢に擦り付けるように腰が揺れる。
アーロンの手が撫でるように俺の自身に添えられる。
もっと触ってというように、背中に回した腕に力を込めた。
「ぁあっ……はぁっ…」
上下する手の中で形を変えていくそれは、先走りの蜜を流し始める。
アーロンの口が胸の飾りから離れ、俺のモノを含んだ。
「ひゃっ…んっ」
ぷっくりと膨れた飾りを口の代わりに手で弄ぶ。
自身を舐め上げられ先端を吸われると、すぐにも達してしまいそうになる。
「もっ……イキそぉ…」
いいぞと言わんばかりに一層強く吸い上げられる。
「イク…っ…!」
体をびくっと震わせ、アーロンの口の中へと昂ぶりを放った。
達した解放感に一呼吸つく間もなく、アーロンの指が侵入してくる。
「んっ……」
くちゅくちゅと音を立て抜き差しされる指。
達したばかりだというのに自身は既に頭を上げてくる。
一本二本と数が増え、中をかき回される。
指が三本になる頃にはもう我慢できなくなっていた。
「アーロンの…欲しい……」
震える声で懇願すると、そのまま口づけを交わす。
「俺もそろそろ我慢の限界だ…」
指が引き抜かれ足を大きく広げられる。
アーロンのモノがあてがわれると、俺のそこは容易くアーロンを受け入れた。
「んっ……ぁあっ…イィ…」
アーロンの自身は俺の感じる所をよく知っていて、確実にそこを突いてくる。
俺の中にあるアーロンを放すまいと柔壁はアーロンに絡み付く。
突き上げられる度に感じる愛しい体温と苦しい程の快感。
俺は自分の存在をはっきりと感じていた。
たとえ夢であろうとも、明日消えてしまおうとも、今この瞬間、確かに俺は存在する。
今、確かに俺は意味のある存在としてここに存在する。
アーロンがそれを証明してくれている。
腰を打ち付けながら、アーロンの手が前を扱きだす。
このまま快楽に溺れていたいと思いながらも、二つの刺激に追い込まれ、昇りつめる。
「ぁっ…もぉ…イっちゃ…っ」
アーロンの腰の動きが早まり、最奥を激しく突く。
同時に早くなった手の動きに、もはや堪えることは出来なかった。
「アーロンっ…イクっ…!ああぁっ!!」
「くっ…ティーダっ…」
俺たちは同時に頂点へと達し、白濁の欲望を吐露した。
暫らくそのまま抱き合っていた。
アーロンが俺の中から自身を引き抜こうとする。
「待って」
離れかけた体を引き寄せ、再び強く抱き締める。
「もうちょっとこのままでいて…」
「……ああ」
重なる肌と肌。
繋がったままの体。
明日、全てが終わる。
だけど、俺にとっては、今日が終わりなんだ。
アーロンが俺にとっての全てだから。
俺はここに存在している。
アーロンの体が離れた瞬間、俺は自分の存在を確認するすべを失う。
それが俺の最後の瞬間。
だから、もう少しこのままで。
自分から離れられるまで、もう少しこのままで。
自分でこの世界を終わらせられる覚悟が出来るまで。
もう少しだけ。
【END】
『言い訳』
久々にエ○書きました…てか、もともと少ないんですけど(笑)
やっぱ難しい…エ○シーン(汗爆)
もがもがしながら書いたのに、データ2回程飛びました…ので、ぶっつけで書きました(撃沈)
『切ないラブラブ』…Σラブラブ忘れてた(爆破)
ベル様、申し訳ございませんでした…。