Necessities (必需品)






「いい?絶対に欠かせない物よ」

再び宿屋にてルールーが紙を配る。

「必需品だけど足りてない物を書くこと。この前みたいな馬鹿なことは書かないでちょうだい」
そう言って睨みをきかせると、皆小さく返事をしてこそこそと書き始める。


アーロンにも紙を渡そうとすると手で制された。
「足りない物、ないんですか?」
ルールーが首を傾げると、アーロンはニヤリと笑ってティーダに視線を向けた。

「アレがいれば他には何もいらないんでな…」
「……」
満足気に立ち去るアーロンに呆れて言葉も出ずに立ち尽くしていると、一番に書き終えたキマリが無言のまま紙を差し出してきた。


『ツノ』


確かに足りてない…。(がっくり)


またかよ、と思いつつ、歩き去るキマリの背中が寂しげで怒ることが出来ないルールー。

「書いたっス!」
嬉しそうなティーダに不安を感じつつ紙を受けとる。


『アーロンとの二人の時間』


不安的中。

「……(溜息)。ったくあんた達は…」
「ルー、俺も書いたぞ」
キレる寸前のルールーに紙を渡すワッカの顔が心なしか赤い。
訝しげに折り畳まれた紙を広げると…


『ルールーの愛。くれ!!』


「ワッカ、やるじゃん☆」
「やっぱ男っスね〜!」
「なははははっ」
皆にからかわれて照れ笑いしながら頭を掻くワッカ。


ぶちっ。

「い…今何か聞こえなかったか…?」
「何か切れたような音…したっス…」
「あんたたち…いい加減にしなさいよ…」


皆が恐る恐る振り返ると、冷笑を浮かべて『T.アルテマ』発動寸前のルールー。


「俺マジメに書いたんだぞっ!?」
「おっ俺もっス!!」
「へぇ…そう(微笑)」


『T.アルテマ』発動。


その後、ルールーの怒りが鎮まるまで宿屋は破壊し尽くされたという。


後日ワッカ談。
「告白するタイミング間違えちまったかな…(涙)」


頑張れルールー!
負けるなルールー!!

…ワッカも頑張れ(笑)


















【END】