HONEY
終わりが近付くにつれ、大好きなあなたの顔が曇っていく。
あなたは異界へと去り、俺が消える。
あなたはそれを憂いているんだよね。
あなたのそんな顔見たくないよ。
ねぇ、いつもみたいに俺だけに見せるあの顔で笑って?
「アーロン」
こっちを見て。
「アーロン」
笑って。
「アーロン、アーロン、アーロン!」
名前を呼んで抱きつく俺を受けとめて笑うあなた。
「どうした、ティーダ」
この耳を擽る心地よい声と、その甘い笑顔にいつでも包まれていたいのに。
「アーロン大好きっ」
「…俺もだ」
そう言うあなたはまた哀しい目をしていて、胸が痛くなる。
今までずっと守ってもらってきたけど、
今は俺があなたを守ってあげる。
俺のこの存在がたとえ偽りだとしても、
あなたと過ごした季節は真実だよ?
夢であったとしても、終わらない夢にするから。
方法なんてわからないけど、俺を信じて?
必ず連れに行くから
あなたの元へ飛んで行くから
だから笑っていて?
大好きな笑顔を見せて?
甘く、甘く。
honey so sweet…
【END】