☆シテ。
「…して」
上目使いで唇を薄く開いてアーロンを誘う。
この為にアーロンがお風呂から上がってくるのをベッドで待ち構えていた。
タオルで髪を拭いていたアーロンの手が止まる。
「…して?」
もう一度問い掛けるように言うと、アーロンは無言のまま俺をベッドに優しく押し倒す。
髪から垂れる滴も気にせずに舌を絡め合う。
それだけで熱くなる体は、アーロンの指に、舌に、敏感に反応する。
「…んっ…アーロン…もっと…っ!」
痛い程の快感にもっと深く溺れたくて、ギシギシと音を鳴らすベッドに呼応するように声を上げる。
貫くように最奥まで突かれる度に音量を増す鳴き声。
待ち切れずに流れ出る蜜の絡まった俺自身を一層強く扱かれる。
「あっ…イクっ……あぁっ!!」
「ティーっ…くっ…!」
果てたモノを俺の中に残したまま、アーロンは優しく俺を抱き締める。
しばらくそうしてから体を離そうとするアーロンを今度は俺が抱き締める。
「もっとして…」
「…どうしたんだ…」
驚くアーロンに自ら唇を重ねる。
執拗に舌を追って絡ませると徐々にアーロンも応えてくる。
「んっ、ふっ……んっ!」
素早くアーロンのモノが引き抜かれたかと思うと乱暴に俯せにされ、腰を引き上げられる。
「知らないぞ…どうなっても」
その言葉と同時に一気に奥まで突かれて体に電流が走る。
「ああぁっ…!!」
打ちつけられるのに合わせて自らも腰を振る。
「あんっ…アーロ…ンっ」
「ティーダ…っ」
いつだったか、アーロンは言った。
『壊してしまいそうで怖い』と。
それからアーロンは俺を抱くことが少なくなった。
だけど本当は我慢してるんでしょ?
そんな我慢、いらないから。
だから。
「壊してもいいからっ…」
俺の言葉にアーロンの動きが止まる。
「…お願い…もっとっ」
「ティー…」
「アーロンになら壊されてもいい…」
「ティーダ…」
ぎゅっと俺を抱き締めたアーロンは、意味がわかったようだった。
「後悔するなよ…」
それを合図にしたかのようにアーロンが再び動き出す。
激しい律動と共に前を攻められ、刺激に侵されていく。
「あぁっ…イイっ…!!」
「ティー…愛してる…」
「…オレ…もっ…!」
その日俺達は何度も何度もお互いを貪り合った。
まるで、いくら愛し合っても足りないとばかりに。
疲れ果ててぐっすり眠った後、目を覚ましても俺達は布団の中で抱き合っていた。
「俺、壊れてないよ?」
「…ああ」
「壊れてもいいけど」
「…ティーダ」
「もう我慢しないで…?」
そっと口付けると、アーロンが上に覆いかぶさってきた。
「ひゃっ…んっ…アーロン…!?」
突然胸の突起を舐められて思わず声を上げると、アーロンが悪戯そうに笑った。
「我慢しなくていいんだろう?」
コクンと頷いてから、二人で顔を見合わせて笑った。
アーロンになら、
何をされてもいい。
本当は、あんまり好きで壊されちゃいたいと思ってたり。
アーロンに壊されるなら本望だから。
もっとして。
もっともっと愛して。
壊れる位に、
愛して。
【END】