Best wish



『自分を信じろ』
そうやって俺を育ててくれた。

世の中の常識から外れたって、自分がいいと思ったことはいい。
俺がそう思ってやったことに関して、アーロンは何も言わない。

だから言ったんだ。
「俺、アーロンのお嫁さんになりたい」
アーロンは少し驚いてからニコリと笑っていいよ、と言った。
俺はとても嬉しくて、アーロンの胸に飛び込む。

でも、お嫁さんになるって、どうすればいいんだろう?

アーロンに尋ねると
「お嫁さんになるってことはどういうことだと思う?」
と反対に聞かれた。

「結婚するってことかな?」
でも俺たちは結婚することはできない。
「そしたらお嫁さんにはなれない…?」
「確かに結婚はできないが…どうしてお嫁さんになりたいと思った?」

お嫁さんになりたいと思ったのは。
お嫁さんになればアーロンとずっと一緒にいられると思ったから。
アーロンとずっと一緒にいたかったから。

だったら、とアーロンは言った。
「ずっと一緒にいよう。世の中で認められなくとも、俺はお前をお嫁さんにするから」

俺はアーロンのお嫁さんになる。
証明できるものは何もないけれど、二人が一緒にいることがその証明。

二人だけの為に。
二人で二人に祝福を。

二人で幸せになろう。
ずっと一緒にいようね。

【END】