戦闘終了後、傷を負ったティーダは足元がふらつきよろめいた。
「大丈夫か」
後ろにいたアーロンに抱き留められる。
背中越しにアーロンの体を感じ、ティーダの体温は一気に上昇した。
「平気っス!」
それをアーロンに悟られないように慌てて体を離す。
まだバクバクいってる。
こんな時にまで意識しちゃうなんて…。
俺って…。
「最近集中力足りないんじゃない?」
傷を回復して歩きだすと、ルールーが話しかけてきた。
「アーロンさんと何かあった?」
「何でアーロン!?」
「どういう仲かなんて、見てればわかるわよ」
「えっ…!そうっスか?」
ルールーはするどい。
さすがっス…。
「で、何かあったの?」
「…何もないっスよ」
ルールーはふぅん、と俺を見て笑い、それ以上は聞いてこなかった。
そう、何もない。
だけど、その何もないってのが問題なのだ。
ここ3週間、アーロンと、してない。
この前宿に泊まった時だって、せっかく二人っきりになれたというのにアーロンは先に寝てしまった。
エッチしてないって以外は何も変わらず、寝る前だってアーロンは優しくキスしてくれる。
それだけっ!?てカンジで俺は余計に辛いんですけど…。
集中力がないのはそのせいだ。
ついついアーロンに目がいってしまう。
アーロンが言葉を発するその唇に。
堂々とした広いその胸に。
逞しいその腕に抱かれたい…なんて思って苦しくなる。
そんな時に目が合ったりしてしまうと、慌ててしまう。
やっぱりこのままじゃマズイっスよね〜…。
…決めた!次の機会に俺からアーロンを誘うっス!!
その機会はすぐにやってきた。
「今日は宿をとりましょう」
神の声のようなユウナの言葉。
ルールーがさりげなく気を使ってアーロンと同じ部屋にしてくれた。
でも…。
「ボロい宿っすね…」
「安かったから仕方ないだろう」
アーロンはあまり気にしてないようだけど、こんなんじゃ大きな声出したら全部隣につつ抜けだよな…。
どうしよう…。
しかも、誘うっつったって、今までアーロンから誘ってきたことしかなかったから、どうしていいのかわからない。
「どうかしたか?」
部屋に入ってからずっと考え込んでしまっていた俺は、アーロンの声で我に返った。
「…何でもないっス」
アーロンと二人きり…そう思うとまた体が熱くなってくる。
それなのに。
「そろそろ寝るか」
アーロンはそんな俺を尻目にさっさと寝る支度をしている。
結局何も考えが浮かばないままベッドに入る。
「おやすみ」
そう言ってアーロンが俺に口付けた時、俺の胸は壊れそうな位に苦しくなって、無我夢中でアーロンにしがみつき、アーロンの唇を割って舌を追った。
「ん…ふ…」
唾液が口の端を伝うのも気にせずに、貪るように舌を絡ませた。
唇を離してからもやっぱりどうしていいかわからない俺を見て、アーロンが口を開いた。
「ティーダ…どうしたいんだ?」
どうしたいって言われても…
「したいならそう言え」
真っすぐに俺の目を見て言うから、素直に言葉が口をついた。
「…したい…」
真っ赤になった俺を見て、アーロンはくすりと笑ってから耳元で。
「やっと言ったな」
そう言いながら耳を甘噛みしてくる。
「ど…ゆ…こと?」
ティーダは刺激に体を震わせながら尋ねる。
「いつも俺からじゃなんだからな…お前が誘ってくるのを待ってた」
そう言いながらティーダのシャツに手を差し込み、胸の突起に触れる。
「やっ…い…じわ…る」
「欲しいって目で見てくるくせに、なかなか言ってこなかったな…」
アーロンの言葉に、見透かされていた恥ずかしさから目が潤む。
「ひど…」
快感で言葉が続かない。
アーロンの指がぷっくりと膨れた突起をつまみ上げ、指の腹で擦る。
久しぶりの刺激に目眩がしそうになる。
「ん…アー…ロ…」
アーロンは片方の突起を指でいじりながらもう片方の突起を口に含む。
「やっ…あん…ダ…メ」
「ダメ?したいと言ったのはお前だろう」
アーロンは意地悪く笑いながらもう片方の手で既に形を変えているティーダの自身を服の上から握った。
手を動かされなくても鋭い快感が体を走る。
「だっ…声がでちゃ…みんなに…聞こ…えちゃ…」
「俺は構わん…」
アーロンは素早くティーダの衣服を全てはぎ取り、ティーダ自身を扱き始める。
「あっ…い…あぁん…っ」
ティーダもあまりの気持ちの良さに流され、周囲のことなど考えられなくなっていた。
先走りの蜜が流れ出た自身を扱かれながらも二つの胸の突起をも弄ばれ、ティーダは既に限界を感じていた。
「アーロ…も…ダ…メ…いっちゃ…」
「いっていいぞ…」
アーロンの言葉を聞き終える前に、ティーダはアーロンの手の中に吐き出していた。
息つく暇もなく、アーロンはティーダ自身を口に含み、蜜の絡まった指をティーダの中に差し込む。
いったばかりだというのにすぐにティーダのものは勃ち上がる。
「ア…ロ…お…かし…なっ…」
ティーダは涙を流しながら快感によじれてのけぞる。
そんなティーダを見てアーロンはわざとピチャピチャと音をたてながら自身を舐め、指を二本に増やして抜き差しを早める。
「も…はやくぅ…アーロ…ン…の…ほし…」
「いい子だ…」
アーロンは指を引き抜き、ティーダを俯せにして腰を引き上げた。
「俺もそろそろ我慢できなくなってきたからな…」
アーロンはそう言うと一気にティーダの奥を突いた。
「ああぁ…っ!」
今までよりも大きな快感にティーダの声も音量を増す。
アーロンは確実にティーダのいい所を突きつつも、再び前を擦り出す。
「アーロンっ…アーロっ…いぃよぅ…っ…もっと…んっ…」
ティーダの声と抜き差しのぐちゅぐちゅとした音が室内に響き渡り、それがまた二人を昂ぶらせていく。
「も…イカせてぇっ…」
無我夢中で自らも腰を振る。
「…くっ…俺も…」
アーロンもハアハァと息をしながらティーダの前を激しく扱くと、ティーダは蜜を一気に解放した。
と同時に締め付けられたアーロンもティーダの中に全てを吐き出した…。
「恥ずかし…明日みんなにどうやって顔合わせればいいんだろ…」
アーロンの胸に顔を埋めながらティーダはため息をつく。
「気持ち良かったんだろう?」
「ん…すごく…」
「だったらそれでいいだろう」
「そうゆう問題…?」
「そういう問題だ」
アーロンが優しく髪を撫でながら額にキスをくれたから。
この幸せがあればまぁいっか、なんて思えてくる。
「アーロン」
「…ん?」
「大好き」
翌朝。
昨日はまぁいいかなんて思ったけどやっぱり…。
「おはよー」
背後から隣室にいたワッカに声を掛けられてビクッとした。
「おはよ…」
もじもじと振り返っても視線を合わせられない。
「いやー昨日の夜はまいったね〜」
きたっ!!
ごめん、と口を開こうとすると…
「ルールーたちの部屋に呼ばれてキマリと二人で行ったんだけど、酒飲みすぎて二人ともすぐ潰れちまってよー…」
「…へ?じゃあ部屋には…」
「朝までルールーの部屋の床でキマリと爆睡。おかげで背中が痛くて…」
ひょっとして、ルールーが気を利かせてくれたのかな…?
でも、良かったぁ〜…と思ったら顔に出てしまったらしい。
「あ、お前笑ったな〜!?コノヤロぉ〜っ」
ワッカにはがい締めされながらも顔が笑ってしまう。
今回俺が学んだことは。
気持ちを素直に言葉にしなきゃいけない時もあるってこと。
まぁ、俺の場合全部アーロンに見透かされてるんだけど…
それでも口に出したり行動しなきゃ損なんだなぁなんて思った。
「痛い痛いっ!ワッカ!許してっ!」
そんな俺たちの横をアーロンが横切り、すれ違い様に優しい微笑みをくれた。